サッカーと地域の関係

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■身近なサッカー

 サッカーが非常に盛んなヨーロッパや南米では、地域の社会生活にサッカーが根付いています。
 その多くは、郷土、地域、地元愛に根差しており、「うちの町のチーム」「祖父も、親もずっとそのチームのサポーターだった」という人が多く、「生まれた時から、そのチームのファンである血が流れている」というセリフに代表されます。
 ここで注目したいのは、郷土愛とサッカーへの愛が、独立してではなく、それぞれ絡み合うようにして生まれ、育っていることです。
 その地域で生まれたから、そのチームの試合に多く通い、そこに通っているうちに、地域の人と多くかかわり、コミュニティの一員となっていく。コミュニティの一員となって、その地域でチームの応援をしたり、チームの情報に多く触れたりすることで、チームへの愛が深まっていく。
 郷土愛と、地元チームへの愛は、そのような相関関係にあるのです。
 そのような文化が生まれた背景には、ヨーロッパや南米では、国同士、地域同士の独立性が強く、対立してきた歴史がある、と言われています。
 日本では、一部の地域を除いて、あまりなじみがない感覚ですね。
 地続きの大陸にすむ彼らにとって、アイデンティティーを守ることは非常に重要なことでした。
 アイデンティティーとは、他の街とは、国とは違う、ということです。そして、その違いが失われるときは、侵略を受けるなどして、誇りを失うことと同義でした。
 さすがに、現代に侵略を受け、誇りを失う、ということは多くありませんので、それは直接的ではなく、間接的な表現に変わっていますが、それにしても、サッカーチームが地域のアイデンティティーになっていることは多くあります。
 今、日本では郷土愛や、地域への愛着が薄れている、と言われています。
 大都市に人口が集中し、地方の過疎化が進んでおり、今後少子高齢社会が進展する中で、その傾向には拍車がかかると言われています。 
 そのような中で、地域への愛を育むのは難しい事なのかもしれませんが、だからこそ、地元のチームを応援することが、この問題に一石を投じるきっかけになるかもしれません。