■知っておきたいサッカーの知識
ここまで、サッカー観戦は、感情の共有が大切である、と書いてきましたが、よりよく感情の共有をするために、知っておきたいいくつかの知識もあります。
それを簡単に紹介します。
まず、ルールの面からは、「オフサイド」
難解なことで知られるルールですが、簡単に言えば、「待ち伏せ禁止」のルールです。もしオフサイドがないとすれば、サッカーはより単純な競技になるでしょう。たとえば、5人ずつが相手と自分のゴール前にいて、ボーン、ボーンとボールをけり合う。そんな競技になるかもしれません。
それでは、スポーツ的な魅力がなくなってしまいますので、相手の一番後ろのプレイヤーよりも後ろで待ち伏せしてはいけない、というルールができました。
このルールがあるおかげで、サッカーはより狭い空間でぶつかり合いが起き、駆け引きが生まれるスポーツになりました。
オフサイド、という言葉を知らないとしても、サッカーは待ち伏せ禁止である、ということを前提に見ていけば、面白さがわかりやすくなります。
スタジアムに観戦に行く時に知っておきたいのが、「ホーム」と「アウェー」という考え方です。
たとえば、日本代表が日本のスタジアムで試合をするときは、自分たちの「ホーム」での試合になりますし、海外で試合をするときは「アウェー」の試合、ということになります。
この、「ホーム」と「アウェー」という考え方が、サッカーという祭りをより楽しくします。
ヨーロッパや南米など、サッカーの本場と言われる地域では、ホームで試合をするのか、それともアウェーで試合をするのかで、選手たちの気持ちも、試合の結果も大きく変わってきます。
なぜなら、ホームのチームは、観客からの声援を多く受けることができ、逆にアウェーのチームは、観客から激しく攻撃されるからです。
その攻撃のひとつにブーイングと言って、相手がプレーをしている時に「ブー」と大きな声で威嚇したり、口笛を吹いたりすることがあります。
この、「ホーム」と「アウェー」ということは、いわば役割として演じることでもあり、大げさに演じれば演じるほど、感情の共有をしやすく、楽しめる要素になります。
とはいえ、暴力は絶対にいけませんが、そのぎりぎりまで感情を高めることで、サッカー観戦の魅力を大きくすることができます。